昨今ゴミ屋敷問題は考えなければいけない重大な事項です。高齢化社会になりゴミ屋敷化する住宅が増えてきていて、その問題に自治体や地域住民が協力して解決していく問題です。
今回、ゴミ屋敷で必要な作業や道具について詳しく紹介しているので、今からゴミ屋敷の清掃を考えている人や、自分がゴミ屋敷化しているのではと思った人たちが行動に移せるように詳しく紹介しています。
深刻化しているゴミ屋敷の実情
大量のごみや物が部屋中に散らかっていて生活に支障をきたすようになった状態を、ゴミ屋敷と言います。誰も好きでゴミ屋敷にしているわけではありません。それぞれに理由があり、その満たされない不満やストレスの延長線上にゴミ屋敷化してしまうわけです。
今回、このゴミ屋敷問題について詳しく紹介していきます。
◇高齢化社会が影響
高齢化社会が急速に進んできていて、その弊害として高齢者の孤独というのが社会問題になってきています。昔のように親子、祖父母の三世代家族はほとんどなくて、祖父母は別に住んでいて、どちらか1人が亡くなると1人での生活を余儀なくされます。
この高齢者の1人暮らしがゴミを放置してしまって、そのうちにゴミ屋敷になってしまう傾向があります。
高齢者は体力的にも精神的にも弱ってきていて、片付けることができない人が増えています。
社会から引退して年金生活をしている人がほとんどで、身だしなみや自宅の部屋の片づけがルーズになりがちです。その蓄積がゴミ屋敷になりやすくなります。
それに、日本人特有のもったいない精神が高く、物をあまり捨てられない人がたくさんいます。
◇ゴミ屋敷になってしまう原因
高齢者がゴミ屋敷にしてしまう傾向があるのはわかりますが、もっと原因を掘り下げていくと見えてくるものがあります。
それには高齢者だけではなく若い世代でもあり得る原因がたくさんあります。実際にゴミ屋敷になりやすい原因の詳細を紹介します。
1.高齢者特有の認知症が原因
高齢者特有の精神病で、認知症にかかるとゴミ屋敷化しやすくなります。
認知症にかかると掃除をしたり片付けたりするのが苦手になってきて、ゴミを部屋に放置してしまいがちです。
そのままゴミを放置し続けていくとゴミ屋敷となってしまいます。
2.若い世代でもあり得るそううつ状態
若い世代でもゴミ屋敷にしてしまう場合があります。
そううつ病にかかってしまうと、何もしたくなくなります。
このような状態が続くと、片付ける行為をしなくなり、部屋が散らかっていきゴミ屋敷になってしまいます。
3.強迫性貯蔵症
日本人は物を大切にする傾向がありますが、度が過ぎるとゴミ屋敷になってしまいます。
決して片づけをする気がないわけではなく、片付けたい気持ちはあるのですが、片付けがうまくできない場合があります。
このケースの場合は強迫性貯蔵症という病気の一種と言われています。
◇ゴミ屋敷がどれだけ迷惑なものなのか
ゴミ屋敷は自分だけではなく、回りの人たちにも迷惑となってきます。
匂い、害虫、犯罪率の向上など様々な問題が併発します。
1.悪臭
生ごみなどの腐敗臭は近隣住宅に多大な迷惑をかけてしまいます。
本人は匂いに慣れてしまって気が付きませんが、回りに発する匂いは相当なものです。
2.ネズミやゴキブリなどの害虫被害
ゴミの中に食品に由来するものが多ければゴキブリやネズミなどが大量に発生します。
集合住宅の場合は特にひどくて、隣の部屋までゴキブリやネズミが大量発生してしまいます。
重度のゴミ屋敷になると衛生面でも回りに影響して、隣人からすると迷惑極まりない状況になります。
3.犯罪率が上がる
ゴミ屋敷があると、隣の犯罪率が高くなることがわかっています。
ゴミだけの問題ではなく、犯罪を招いてしまう可能性が高くなります。
それだけではなく、山となったゴミから引火して家事を引き起こす確率も高くなります。
ゴミ屋敷をなくすには
ゴミ屋敷はテレビでも放映するように社会問題になってきています。
ゴミ屋敷を野放しにしていては、回りの住人が多大な迷惑を受けるわけです。
そのためにはゴミ屋敷に対して対策を練らないといけません。
◇自治体の対応
ゴミ屋敷に対して自治体はどのような対応をしているのでしょうか?
自治体としても回りの住人から苦情が来れば、ゴミ屋敷に行ってからゴミの撤去をお願いはしているところはありますが、強制的に屋内のゴミを撤去できないのが現状です。
公共の道路などまでにごみが散乱している場合は、そのごみの強制撤去は可能ですが、それ以上のことはできないようになっています。
◇法律で強制撤去はできないの?
ゴミ屋敷を法律上で強制撤去はできないものなのでしょうか。
これができれば、ゴミ屋敷問題もそこまで大きくはなっていなかったでしょう。
法律では、憲法代29条に「財産権はこれを侵(おか)してはならない」と記載されていて、誰であろうが個人の財産である敷地内のゴミを強制撤去はできません。
この憲法により強制撤去はできなくなっています。
2014年には「ごみ屋敷法案」が国会で審議されましたが、問題が多く成立しませんでした。
◇回りの住人がゴミ屋敷に対してできることとは
ゴミ屋敷に対して近隣の住人ができることは残念ながら限られてきます。
ゴミ屋敷の外にまでゴミが出ていても、勝手に処分すると窃盗罪に問われる可能性があります。
ただ、苦情を自治体の方に言えばある程度の働きかけは行ってくれます。
その場合は、強制力があまりないので注意勧告ぐらいで終わってしまいます。
ゴミ屋敷の住人が従わなければそこまでの効果がありません。
ゴミ屋敷の片付けるための道具
ゴミ屋敷の片づけをするときには、自分で片付ける場合と業者に依頼して片付ける場合があります。
今回は自分でお金をかけずに片付けるやり方を見ていきます。
自分で片付けると手間と労力がかかりますがお金をかけずに片付けられます。
◇ゴキブリ処理剤
ゴミ屋敷になると生ごみの臭いなどにゴキブリやハエが集まってきます。
そんな害虫を放置した状態では、ゴミを取り除く作業の邪魔になり効率が悪くなります。
◇蚊取り線香
蚊取り線香をたくとコバエが寄り付きにくくなりますが、最大の用途はゴミ屋敷の悪臭を少しでも和らげてから作業をしやすくすることです。
作業をスムーズに行うためには選考をたくのは必要なことです。
◇自治体指定のごみ袋
当然ゴミ屋敷のゴミを撤去するわけなので、一般ごみ用のごみ袋が必要になります。
それも一番大きな袋が必要になります。
通常のゴミ袋だけではなく、不燃ごみ、プラスチック類、瓶・缶などのゴミ袋が必要になります。
◇台車
台車は集めたゴミを運ぶためには必要不可欠です。
大量のゴミがあるのでその量は相当なもので、台車は1台だけではなく数台あると便利です。
◇掃除用の服装
ゴミ袋を片付けるときは、汚れたり悪臭がついたりするのでそれなりの服装が必要になります。
不衛生な空間の中でゴミ処理をするわけなので、完全防備で片づけをしなければいけません。
軍手・作業着・マスク雨かっぱは必ず着用するようにしましょう。
◇掃除用具
ゴミを収集してしまった後は部屋の掃除をしなければいけません。そのための掃除道具は一通り揃えておかなければいけません。そんな掃除道具にはバケツ・雑巾・モップ・たわし・洗剤などがあります。
ゴミ屋敷を片付ける8ステップ
ゴミ屋敷をうまく片付けるにはいくつかポイントがあります。そのポイントをしっかりと理解していれば、ゴミ屋敷を片付けるのにそこまで苦労しません。
実際にゴミ屋敷を片付ける8つのステップを紹介します
◇捨てないものに順位をつける
ゴミ屋敷の片づけを行っていく上で、捨てないものへ優先順位をつけていくと片付けやすくなります。
部屋を片付ける前に残しておく物に順位をつけていけば、捨てる物がはっきりしてきます。
預金通帳、カード、などの財産に分類される物は最重要品となります。
あとは、部屋を見渡してこれは捨てたくないという物をピックアップしていけばいいだけです。
誰でもできる簡単な分類です。
◇捨てたり残したりするためにダンボール箱を3つ用意
燃えるゴミ、燃えないゴミ、瓶・缶、古着などに分けて入れていくとその後のゴミの処理が楽になります。
分別する分だけの段ボール箱を用意しておきます。
◇片付ける部屋に優先順位をつける
部屋を片付けるときは同時にはできません。部屋数が多いと特に大変ですが、部屋ごとに優先順位をつけていけば、片付けが楽になります。
1番目に玄関、2番目に部屋、3番目にトイレ、4番目に台所、5番目に洗面台となります。
最初に玄関から片づけをすることで、ゴミ出し用の通路を作ることができます。
◇足元を片付ける
次に玄関から初めて、廊下から部屋へとゴミを片付けながら移動していきます。
その場合の片づけは、床がきれいに見えるようになるまで片付けていくとゴミ処理がうまくいきます。
その時に押し入れなどの扉があった場合は、空けないで後から片付けます。
◇大きな物から片付ける
片付けるときはゴミの優先順位をつけてから片付けていきます。
大きな家具や家電から片付けていきます。大物が亡くなると片付いたように見えるので、よりやりがいを感じて作業が進みます。
◇捨てない物を分類
ゴミ屋敷ではほかの人が見た場合、ゴミにしか見えないような物でも住人からするとゴミではなく必要な物の場合があります。
◇売れるものを取っておく
必要ないものでもオークションで販売すれば売れそうなものはとりあえず取っておいてオークションで販売できれば、お金に代わります。
ゴミをお金に換える裏技です。
◇ゴミの捨て方の勉強
ゴミの種類にはいくつかあり、度のごみも一般ごみとして廃られるわけではありません。
◇ゴミをどのようにして捨てるのか?
ゴミを回収してもゴミの種類で捨てる日が違ったり、家具などの大物を捨てるときに小さく切ってから一般ごみで捨てることはできません。
お酒が入っている場合は、中身を出してから外の瓶や缶だけを捨てなければいけません。
缶詰などは、一旦開封して中身を生ごみとして、缶を瓶・缶で捨てなければいけません。
ゴミ屋敷の片付けテクニック!2日で解決まとめ
ゴミ屋敷化してしまった住居をきれいに清掃して、住みやすい住居にするための情報を提供してきました。
ゴミ屋敷を片付けるときに必要な道具、服装など用意しなければいけないものについて、清掃方法など参考にできるものばかりです。
次にゴミ屋敷の片づけをしなければいけなくなったときに参考にしましょう。
普段の掃除では使わないような道具なども紹介しています。