子供の成長を願って買った五月人形やひな人形のほか、思い出があるけれど古くなってしまったぬいぐるみなど、処分をしなければ…と思いながらも、ごみとして処分されてしまうのは心苦しいと感じる人も見受けられます。
また、大事にしていた人形に対し、もっと大切に処分方法を考えるべきだったと後悔することもあるようです。
ここでは、人形の供養(処分)方法や注意したいことに関してまとめました。
目次
人形の供養(処分)方法には大きく分けて6つある
人形は「物(モノ)」ですので、一般ごみとして処分することができます。素材を見極めて処分をしなければいけませんが、大きく分けて6つの処分方法があります。
①家庭ゴミとして処分する
②人形供養を行い、お焚き上げで処分する
③寄付する
④リサイクルショップに買い取ってもらう
⑤友人や知人に譲る
⑥不用品回収業者に依頼する
私たちが「人形を処分する」ということにためらいを感じてしまうのは、厄除けなどの身代わりや、子供の成長を願う品として迎え入れたというような理由があるからです。
また、不安を解消するために手放せなかった、大切な人からの贈り物だったというように、その方にとって大事なエピソードがあり、「おいそれと処分できない」という気持ちになってしまうことも。そのため、処分方法に悩む・処分してから後悔してしまうという方も見られます。
上記に挙げた中から、後悔しないであろう処分方法を検討してみることをおすすめします。
人形供養の手順とは
お寺などでは「人形供養」を行うところもあります。どのような流れで供養を行うのかご紹介いたします。
①対象の人形を持ち込み、または郵送(宅配便など)
②お寺や事務局で預かり
③人形供養祭や人形感謝祭などと呼ばれる行事で供養後、適切な方法にて処分
人形の供養は無料で行ってくれるところもあれば、1回につき数千円程度の供養料(お布施)が必要になる場合があります。
通年人形供養の受付可能な寺院などを紹介
ここからは、通年人形供養を受け付けてくれる寺院などを紹介します。全国各地からの供養を受け付けているので、送料の面などを考えて検討しましょう。
①成田山仙台分院(宮城県仙台市)
五月人形やひな人形のほか、こいのぼり、フランス人形や手作りの人形などを受け付けています。修養日を除く毎時刻に僧侶が人形供養を行います。供養を済ませた人形は、毎年1月14日に行われる「どんと祭」においてお焚き上げを行います。
・ご供養料:みかん箱1箱程度の大きさまで3,000円(箱に何体入れても可)
・通年受付可能。持ち込み・宅配・郵送などに対応(人形ケースは同梱不可)
②長岡観音 長念寺(山形県寒河江市)
人形全般のほか、本尊や位牌、数珠や写真などの供養も行います。予約と別途料金が必要になりますが、住職の供養に直接立ち会ってお別れをすることも可能です。
供養後の処分については明示されていませんが、中には寺院での展示や福祉施設への寄付、研究機関への提供を行う場合もあります。
・ご供養料:みかん箱1箱程度の大きさまで3,000円(箱に何体入れても可)、みかん箱より大きい箱だと5,000円(箱に何体入れても可)、2箱目は半額
・通年受付可能。持ち込み・宅配・郵送などに対応(人形ケースは同梱不可)
③一般社団法人 日本人形協会
人形感謝(供養)代行サービスと称し、供養の対象となる人形を受け付けています。人形全般やぬいぐるみのほか、羽子板、天神様やこいのぼりなども受け付け可能です。
東京大神宮では、毎年10月頃に「人形感謝祭」と呼ばれる人形の魂をお祓いして人形とお別れをするための祭りが開催されており、ここで引き取った人形はそこで供養されます。
・ご供養料:箱の大きさは縦+横+高さの合計が170cm未満、重量が30kgまで5,000円(箱に何体入れても可)
・通年受付可能。事前申し込みによる宅配キットを利用して郵送。供養料の振込指示もあり。(人形ケースは同梱不可)
人形を処分することのメリット・デメリットとは
人形を処分することで生じるメリットやデメリットも存在します。ここでは、一般的な考え方についてまとめました。
人形処分のメリット
人形を処分することで得られるメリットには、以下のようなことが挙げられるでしょう。
・家の中が広く感じられるようになる
・人形に依存していた過去の自分と決別し、新たなスタートを切れる
・ダニやほこりの温床となる人形を処分し、健康を取り戻す足掛かりにできる
人形処分のデメリット
一方で、デメリットとしては以下のようなものがあります。
・供養料や処分費用といった金銭の支払いが発生する
・供養はしてもらえたはずなのに、心では整理がつかずに後悔の念に悩まされることもある
・人形を迎え入れられた時のエピソードが強く、手放せない人形も存在する
人形を処分する際の注意点とは
どんな形でも人形を処分する際には、いくつかの注意点があります。
処分したい人形が手元にある場合は、ぜひ参考にしてみましょう。
寄付する場合は、きれいな状態にする
児童施設や諸外国へ人形を寄付する運動を行っている団体へ依頼することで、必要な人のもとへ人形を届けてくれます。しかし、人形・ぬいぐるみの汚れやにおいがひどい場合は引き受けを断られる場合があります。
そのため、寄付する場合はできるだけきれいな状態で引き渡しましょう。
自治体のルールに従って分別を行う
単純にゴミとして処分する場合は、分別を行う必要があります。顔は陶器、胴や衣類は木綿というように、分別を迫られることがありますので注意しましょう。
もちろん、ガラスケースごと処分することはできませんので、人形とケースは別に処分をしなければいけません。
人形供養を行っている寺院かどうか確認する
人形供養は、すべての寺院で行っているわけではありません。
人形供養を検討する場合には、事前にどこの寺院で人形供養を行っているのか確認してから持ち込みや郵送を行いましょう。
人形の処分方法や注意点とは?後悔のない処分をしようまとめ
贈ってくれた人のエピソードや購入時のエピソードなど、人形にはそれぞれの物語があります。それを簡単に処分できないと、ためらうのは当たり前。でも、どこかで区切りをつけなければいけない時もやってきます。
納得して手放せる処分の方法を検討して、家の中をすっきりとさせていきましょう。