乗り換えや廃車などを理由に、これまで乗ってきた車を手放したいというケースが見られます。また、「自宅にある車検切れの車をどうにかしたい」という場合もあるようです。
そういった場合は、どのように車を処分すればよいのでしょうか。ここでは、もう乗らなくなった車の処分方法についてまとめました。
目次
車を処分する前に「自動車リサイクル法」を知ろう!
車にも「自動車リサイクル法」が存在しており、「廃車=スクラップ処分」ということは、できなくなっています。
自動車リサイクル法では、自動車メーカー・関連事業者・車両所有者それぞれの役割を明確に定めています。自動車も処分時にはできるだけ細かく分解し、リサイクルできるものと処分するものに分け、適切に処分することが法律で義務付けられています。
特に、カーエアコンの冷媒として使われるフロンガスは、地球温暖化を進めるため、適切に回収することが求められているのです。
自動車リサイクル法の対象車とは?
自動車リサイクル法の対象は、自動車をはじめとした大型車や、8ナンバー車といわれる特殊自動車などが含まれます。
対象外として、「被けん引車」「原付・側車付き含む二輪車(バイク)」「大型特殊自動車・小型特殊自動車」「その他農業機械・林業機械・スノーモービル等」が含まれています。
バイクは、自動車リサイクル法の対象外ですが、「二輪車リサイクルシステム」によって適切にリサイクルできる仕組みがあります。
車の処分方法は大きく分けて5つ
車の処分方法は大きく分けて5つあります。ひとつずつ見ていきましょう。
知人に譲渡する
知人や車を欲している人に譲渡する方法があります。この場合は、車の名義変更手続きを行う必要があります。
名義変更手続きは、公的書類をそろえたのちに陸運局で行うことが可能で、この手続きを行うことで、税負担などは新所有者へ移ります。
また、廃車手続きなどをとることなく車を乗り続けることができるので、まだ乗れる車の場合は譲渡を検討することもよいでしょう。
廃車にする
車検切れのまま、もう何年もエンジンをかけていなかった車や、初年度登録から長い年月が経過した車などは、「乗りつぶした」と位置づけ廃車にする方法があります。
これは廃車手続きを行うことで、税負担の義務などを終えることができます。
カーディーラーや自動車整備工場などで、廃車に関する書類が備え付けてあるので、書類を作成し手続きを進めましょう。この時、リサイクル法に基づいて「リサイクル券」も渡す必要があります。
下取りに出す
買い替えの時に、まだニーズが残された車であれば自動車販売会社に買い取ってもらい、その金額を新車代金と相殺してもらえる「下取り」のサービスを受けることも可能です。
下取りは、先述の「譲渡」にも当たります。名義変更の手続きを行うことで、新しいユーザーに使ってもらえる可能性が生まれます。
買い取り業者に依頼する
中古車販売専門店は、仕入れのために乗らなくなった車を買い取っています。下取りよりも高く買い取ってもらえる可能性もあるので、買い替えを検討する場合は買い取り業者に見積もり査定を依頼することも一案です。
こちらも売買契約が成立した後に、名義変更の手続きを行います。
廃車専門の買い取り業者も存在します。壊れた車はもちろん、車検切れの車なども買い取ってもらえます。車検対応のものに限りますが、後付けの純正パーツや冬用タイヤなども一緒に買い取ってもらうことも可能です。
また、車の中にガソリンやエンジンオイルが残ったままでも抜き取ることができますので、そのまま引き渡してもかまいません。
ネットオークションに出す
カーオークションというシステムがあります。個人で出品するよりも、先述の中古車買い取り専門店や、オークション代行業者に出品を依頼することが一般的です。
全国のオークションユーザーから入札してもらえるメリットがあり、こちらも落札され、代金を受領してから名義変更の手続きを行い譲渡に移ります。
車の処分にかかる費用とは
車の処分には費用がかかる場合があります。ほんの一例となりますが、費用が掛かる例をまとめました。
車の下取り
下取り車に値が付かない場合などは、処分することも検討されます。その際に、リサイクル料金や解体手数料、リサイクル工場までの運搬料の負担を求められることがあります。
相場として、1万円程度請求されることがあるようです。
廃車
廃車手続きを行う場合、解体手数料と運搬料、リサイクル料金が必要になります。
車のリサイクル料金はメーカー、車種や年式、シリアルによって異なりますが、大体10,000円~15,000円程度になるといわれています。
このほか、業者に支払う解体手数料と解体業者までの運搬料として、10,000円前後が必要になるようです。
オークション
カーオークションに出品する場合、システム利用のための出品代行料や、会場に支払う出品料、成約料、自宅からオークション会場までの陸送料がかかります。すべて含めて5万円ほどの費用が掛かります。
処分する前にここをチェック!
愛車を処分する前には、チェックポイントを確認しましょう。
保険料、税金など戻ってくるお金があるかどうか
車を買い替えた場合、自動車保険は「車両入替」の手続きを行うことが一般的です。
しかし廃車手続きを行い、今後も自動車を持たない・運転しないという場合には、契約中の自動車保険は解約となり、支払い済みの保険料の残金が戻ってくることがあります。
また、自動車税に関しても、廃車時期~翌年3月31日までの期間の税金が還付されますので、必ず確認しましょう。
車内に荷物が残っていないかどうか
車内に荷物が残ったまま譲渡手続きを行った場合、それも含めて新しいオーナーの手に渡ったとみなされてしまう場合があります。また、廃車などの処分をする際も、車内に私物が残されていた場合、手元に戻ることはほぼないといえます。
車内に荷物が残っていないか、確認してから引き渡しをするようにしましょう。特に、トランクルームのアンダーボックス内やコンソールボックス、コインケースなどは必ず確認しましょう。
車の所有者が自分以外の名義になっていないか
これは、廃車手続きを行う前に必ず行うべきプロセスです。
その車の車検証を確認し「車の所有者」を確認しますが、自分自身の名義になっていない場合は、名義変更を行った後にその次の手続きに移行しなければいけません。
相続などが理由で自分以外の名義の車の手続きを行う場合は、正当な相続人であることを証明する書類などが必要になるので、行政書士などに依頼することをおすすめします。
【車の処分方法とは?】処分手順からかかる費用まで紹介!まとめ
車の処分には、リサイクル以外の手続きも必要になります。カーディーラーや中古車買い取り専門店などを通じて売却することで、手続きの煩雑さも緩和されることでしょう。
また、廃車などの処分を選んでも費用が掛かりますので、どのくらいの費用が必要になるかは事前に確認することをおすすめします。